以前記事にしました「貨幣の起源の新説」の肝の部分は、余剰物資の起源は、オスが他のオスとのメス獲得競争に勝つために得たものだ、ということでした。
これは、考えてみると少し不思議です。生物は単性生物から両性生物へ進んできたわけです。単性生物にはオスもメスもありませんが、仮にオスかメスかどっちかに決めるとするとメスになりますよね?子供を産むのですから。
《そうすると、オスは実はメスから作られたわけで、創世記のアダムとイブの話はあべこべですね。あべこべになったのは、男が社会の実権を握っていたので、自分に都合のいい様に作り替えたのでしょう。でも、どっちかが、どっちかから出来たのは知っていたのは面白いところです。》
さて、少なくともオスが発生した当初は、メスがメインでオスは付けたし位のものだった筈です。目的は子孫が多様な遺伝子を持つ様にするためだけだったわけですから。オスなどは自分の遺伝子をもって、生殖、すなわちセックスできるくらいになるまで生きていられればそれでよかった筈です。見も蓋もありませんが。
としますと、本来、異性を獲得するために頑張るのはメスである方が自然なのではないでしょうか?か弱いオスがメスを獲得するために競争して頑張ったと考えるのは少し無理があります。しかし、現在、大体の生物で異性を獲得するために競争するのはオスの役目です。これは、進化の途中で役割がかわったのではないかと思うのですが、そうなった理由としては、
子を産むというのが生物にとって大変な労力を使うことだからでしょう。
多分メスは思ったのです。生殖のためだけに存在しているか弱いオスを見て、
「こいつをもっと鍛えてこっちを守れる位にしないとしんどくてたまらない」と。でなければ呑気そうなオスを見て、単純に腹がたってもっと仕事をさせようと思っただけかもしれません。
オスの方も、自分の遺伝子を残すのはやはり大切なことで、そのために自分の子を産むメスを守るのは有意義なことですから、仕方なく、その役目を受け入れたわけです。
今、“仕方なく”といいました。これはわたくしが今、文章を書いているとき、何も考えず、自然に出てきた言葉です。わたくしはオスなので、多分、原初のオスの気持ちが自然に代弁されたのでしょう。どういうことかといいますと、オスにとって日常の些事を含めた、大きな意味での仕事というのは、“仕方なく”やっているものなのです。わたくしには女性の気持ちはわかりませんが、はたから見る限りでは女の人は仕事を自分のものとして捉えている感じがします。皆さんもそう思って周りを見ればふにおちることが沢山見つかるのではないでしょうか。(念のため。以前、黒川伊保子さんのことに触れたことがあります。もしかしたら黒川さんのトリセツ二部作に同じことが書いてあるかも知れませんが、わたくしは読んでいません。わたくしが読んだのは、もっと昔の著作です)
というわけで、だんだんオスの仕事は増えてきまして、大きな仕事として、メスを守ることが任されるまでになりました。その分メスは子を宿し、産み、育てることに集中できるようになったわけです。
さて、やっと、異性を獲得するために頑張るのがオスの役目になったところまで説明することができました。
この記事の初めにしるした前提までくることができたわけです。
さらに社会が男のものである訳や、女性が商品としてあつかわれる理由にも進めそうですが、それはまた項をあらためさせて頂きます。