太平洋戦争開戦の日に合わせて開戦の原因を探る類いのテレビ番組がいつくか放送されたようだ。
個人的には、一通りのことは勉強したのと、それらをみると、どうにもやりきれない気持ちになるので私はあまり観ることはない。ただ、勿論、論理的に検証する番組は作られ続けて欲しい。(朝ドラ的な、情緒的な反戦には賛成しないが)
こ
この話には一定の流れがある。まずは原因の究明。日本人の空気に流され易い体質や、責任を取らない日本的組織などが問題とされる。
次に、未だにそういう組織体質は変わっていない、という話になる。その都度最近起こった事例が持ち出されて、体質が変わらないので同じ種類の失敗が繰り返されるのだ、と言われる。今だと新型コロナウィルスに対する対応が批判にさらされる。
それで?それで話は終わるのである。
1.戦争の原因らしきものが指摘される。
2.その体質は今も変わらないので同じ種類の失敗が繰り返される、と指摘される。
3.それを嘆く
終わりである。
原因を指摘するだけでは変わらないことを変えるには、ではどうしたらいいのか、という問いかけや、自分には何ができるのか、という自省もない。だから、特に2の部分を語る人たちは、自分の賢さを訴えたいのか、仕事としてそう言っているのだろう、と思うことにしている。
では、おまえはどうなのだ、ということになるだろう。私としては、まだまだ人間に対する洞察に欠けるのではないか、という気がする。初めに原因の究明は十分だろうといったが、それは事実関係についてのことだと但し書きをつけるべきかもしれない。
責任を取りたがらないのも、周りに影響されやすいのも人間の本性だろう。比較的日本人はその傾向が強いのかもしれないが、日本人だけにその傾向があるわけではない。
これが個人個人のことであれば、努力や心がけ、心構えでそういう本性に反した気高い行動をとることもできようが、集団にそれを期待するのは無理がある。
そうするためには、社会の規則、慣習、組織のあり方などを少しずつ変えていかなければならない。そうして、それは誰か(政治家など)を非難すればいいことではない。まずはこれは我々一人一人の課題なのだと自覚することから始まることである。