その基本的なテクニックは、普通に信じられている話を、ある程度根拠のありそうにひっくり返したあとに、根拠を全く示さずに自分の新説を紹介することです。
くり返しますが、自説をしめすときには、その根拠は言わないのです。(そんなものはないのでいえないのですが)それが通ってしまうのですね。
私たちはそれまで正しい、と思っていたことを否定され、そしてそれを信じてしまったら、その次にいわれることは、割合に簡単に従ってしまうものらしいです。
おそらく、空白には耐えられないからでしょう。わからないことをわからない、と認めて、その部分を空白にしておける。そんなことができる人はどうも、そう多くはないようです。大抵の人は、取りあえず、不安なのでそこを何かで埋めたいので、出鱈目な説明でも受け入れてしまうのでしょう。
出鱈目な話でも、SFを読むときのように、あり得るかも知れない作り話として楽しんでいる限りはいいのですが。