《ドラマの説明などは省きます。
共に最終回に、間違った秩序が正された、という意味の台詞がある。
共に母親が亡くなっている家の話。
「天国と地獄」では亡くなった母親が狂ってしまった秩序を正す方策をとった。
「俺の家の話」ではその役は長男が担ったが、それを可能にしたのは、家族への無償の愛だった。これは通常、母親の持っている性質である。
日本の有名人気脚本家が同時に同じ主題のドラマを作ったというのは偶然とは思えない。しかもドラマの種類は全く違うのである。
両名とも、日本において秩序がなくなっていて、それは母というべきものの存在が無くなっているからだ、と感じたのだろう。(どこまで意識していたかはわからない)
そうして、売れている職業脚本家がそういう脚本を書いたということは、その主題は我々大衆に訴えるものがある、と判断したからだろう。(これもどこまで意識していたのかはわからないが)
ということは、我々はそれを望んでいるというとで、多くの人がそれを望んでいるということは、日本は今後、失われた秩序が戻る可能性が大きい。
それも以前のような教条主義的なものではなく、(父親の権威を基にしたものではなく)人々の合意を基にした、母権主義的なものになる可能性が高いとも考えられる。
両ドラマは、そのための一歩を示したものなのかもいれない。