根本に、ヒトは利益のためにしか動かないということがあります。
ところが、この利益というやつがなかなかに面白いやつで、お金や物だけが利益にあたるわけではありません。
生物学的には、優秀な遺伝子というのもそれにあたります。また、自分の気持ちを良くしてくれることもまた、利益と言えます。
それは、今は承認欲求という言葉が広まっているので皆さんご存知の事だと思います。
家族や恋人、友達の間のことはまた、別になるのかもしれません。ここでは、もう少し関係の薄い人たちのことを取上げます。
《例えば、夫婦間のことなどは、各種媒体で色々なことが言われています。いわく、感謝の言葉を口に出して言わなければいけないなど。
言われているほとんどのことは納得出来ることですが、散々言われているということは、まだまだ出来ている人が少ないということなのでしょう。
また、それがほとんどムーヴメントのようになっているということは、関係性が変わってきている証拠でもあります。
せんじつめると、女性の要求の水準が高くなってきているということです。
簡単にいうと、平和が長くなると女性の力が強くなるので、男はそれに合わせなければいけないということですが。平時での事務処理能力は、女性のほうが優秀なのです。ですから発言力も強くなり、立場も上がるというものです。
反対に、例えば戦争が起きると男の能力が必要になるので、男が強くなり、今度は女性がそれに合わせなければいけなくなるわけです。
これは、平和なほうがいいに決まってますから、女性が強くていいのではないでしょうか。
ただ、度が過ぎると、男がきれて、またおかしなことをするかもしれませんので、適当なところで我慢していただけるといいのですが》
例えば、同じ組織の人など、家族などより、一段関係性が薄い人たちがいます。
これとどう付き合っていくのかというのも、社会人にとっては大切な技術です。
多くの人は、たとえそれが少人数であっても、部下をまとめなければいけない立場になる時があります。
こういう時、真面目でしかし、経験が少ない人たちは、部下のいうことをなるべくきいてあげたい、いわば、目に見える利益を与えてあげたい、と思いがちです。
でも、余程余裕のある組織はしりませんが、大抵は、全員の要求をすべて叶えることが出来るわけはありません。
だからといって、部下が皆、反旗を翻すとか、退職してしまうわけではありませんが、不満を抱えて働くよりも、気持ちよく働いたほうがいい結果が出るに決まっています。
そうなれば、関係者全員が得をするというものです。
分け与えられる利益が限られているときに、どうそれを実現させられるのかというと、精神的な満足を与えることです。
具体的には、相手のことを気にかけているということを伝えることです。
最近、コミュニケーション能力が取り沙汰されています。
おそらく、多くの人たちが勘違いされていると思うのですが、これは、面白い話ができるということだけを差しているのではありません。
相手の気持ちをおもんばかったり、こちらの気持ちを伝えられるということを言うのです(多分)
つまりは、能力というより、やる気、気力の問題です。(人の欲求を聴いたり、自分の要望を伝える、そのことそのものが苦手なのだ、といわれるかもしれません。そこは、立ち向かっていかなければどうしようもないのかもしれません)
言葉数は少なくていいのです。かえって、その方がいいのかもしれません。
くり返します。相手の話を聴く、こちらの事情を説明する、妥協点を見つける。基本的にはそれでいいのです。
《会社などの組織以外、私的なお付き合いですと、まず、相手の様子をしっかりと見て、変わった所があれば聞いたりして(髪型を変えたのとか、服を買ったのとか)相手と自分の両方が楽しめる話を、大切なのは、なるべく一方通行にならないようにする、というのでいいと思うのですが。もしも難しい相手ならば、相手の話を引き出して、あとはひたすら謹聴するという形でも仕方ないでしょう》
個人的な批判になって申し訳ないのですが、例えば明石家さんまさんというがいます。
一般的には、彼はコミュニケーション能力が高いと思われているのではないでしょうか。
テレビで見る限りで、実生活は別なのかもしれませんが、あの人はコミュニケーション能力の低い人です。(正確には、能力ではなくて、やる気の問題ですが)
どういうことかと言いますと、彼は相手の言うことを聴いていないのです。やっているのは、相手の話をすべて自分のなかの(笑いの)パターンに嵌め込むという作業です。
まあ、もともと洞察力はある人だと思いますので、気持ち、やる気さえあればできることだとは思います。ですからくり返しになりますが、テレビの画面以外では上手になさっているのかもしれません。
長々と当たり前のようなことを書いてしまった気もします。こんなことは組織管理の基本的なことだと思うのですが、まだまだ出来ていない人たちと、その教育も出来ない組織が多いことが驚きでもあります。
マニュアルがどうとかもありますが、結局、今のところは個人の資質、能力に頼ってしまっているようです。
再度くり返しになりますが、そうではなくて、やり方さえわかれば、誰にでもできることだということを申し上げたいわけです。