虫が人を怖がるのはわかります。力関係からいっても圧倒的なまでに人が優位ですから。
実際に虫は人の気配を感じると逃げますし。
大体、大昔、虫は貴重なタンパク源だったといいます。食べてたんですよね。もちろん生で。
では、人が、特に女性が虫を怖がるのは意味のないことなのでしょうか。いや、そうではないでしょう。
人が虫を怖れなければならない理由。それは虫そのものではなく、虫が持っている病原体でしょう。最近、あちこちで聞くことですが、人を死に追いやる生物の第二位は人自身です。そして、一位は蚊であるといいます。正確には羽斑(はまだら)蚊の持っているマラリア原虫ということになるのでしょうが。
蚊に限らず、多くの小型の生き物はヒトにとって害になる細菌などを持っているでしょう。簡単にいうと、バッチイのです。つまり、怖いのは、虫などの小型生物からの直接の攻撃などではなくて、彼らの持っている病原体です。
人は経験からそれを学んで、虫などを忌み嫌い、怖がるようになったのでしょう。
怖がるのが主に女性である、ということがそれをある程度、証明しているともいえます。
主に女性が怖がる、ということは、男性はそれほど怖がらない、ということです。
虫の持っている病原体が危険なのは男も同じなのに、何故、男はそれほど怖がらないのか。
男は女性のためにそれを排除しなければいけないからです。怖がっていたら仕事になりません。
「男は体を張って女を守らなければいけないのか!」と怒ってはいけません。その通りなのですから。
そんなことは、皆、わかっていることです。家庭や学校、職場で虫が出てきて、女性がキャアキャアいっているときに、男も一緒になって怖がっていたら口には出さなくても『男のくせに』と思うでしょう。もしかして日頃は男女同権を訴えていても思うでしょう。
ホラー映画だってそうなっています。映画のなかで、女性たちは、泣き叫びながら、ちゃんと自分の身は守っています。男のことなんて知ったことではありません。もし、自分以外を守るとしたら、子供だけでしょう。
それに対して男は冷静に雄々しく、危険に立ち向かって、女性を守って自らは犠牲になっていきます。女はそれをギャアギャアいいながら見て、そして、しっかり、逃げ切ります。それでいいんです。そういうものです。