時事その他についての考察

専制国家と民主国家

一般に民主主義というものは、民衆が専制に挑戦して勝ち取ったものだといわれることが多いです。

民主主義の成り立ちを現代の家族と対比して考えると、家庭では、子どもがまだ小さなときは、親は子どもに命令しないわけにはいきません。放っておくと何をするかもわかりませんので。しかし、子が成長するにつれて、その意見を聞いたり、場合によっては相談することも出てくるでしょう。

おわかりだと思いますが、子どもが小さい時がすなわち、専制国家のありかたで、成長してからが民主国家のそれ、ということです。

何をいっているのか、というと、子どもや国民が成長して、知識や知恵を持てば、それに見あった権利、権力を与えなければならないのは至極当たり前のことだ、ということです。

また、もう一つ、民主国家が生まれるべき理由があります。それは、民主国家のほうが、専制国家よりも産業は発展して、国力も充実し、戦争にも強くなる、ということです。これはフランス革命以降、第二次世界大戦に至るまでくり返し結果としてあらわれたことです。

さて、しかしこれが正しいとすると、すべての国は民主化される、ということになります。しかし、現状はそうはなっていません。今、民主化されていない国もいずれはそうなる筈で、いまはその途中なのだ、という考えも怪しくなってきました。それにしては、時間がかかりすぎて いるからです。

何故なのか、を考える一環として、現在のインターネットなどの技術があれば、国民全員が政治的決定に参加できる社会、すべてを国民投票で決められる社会は実現できることを指摘しておきます。実現はできるのに、検討すらされていないわけです。

《話を進める前に、“政治”という言葉の定義をある程度はっきりしておかなければいけないでしょう。Wikipediaによると、広辞苑では、「人間集団における秩序の形成と解体をめぐって、人が他者に対して、また他者と共に行う営み。権力政策支配自治にかかわる現象。」となっているそうです。これだと今一つわかりにくいので、ここでは、「集団を統治すること」ぐらいにさせてもらいます》

さて、当然、古代から政治を司る人はいたわけで、広い意味での政治家というものは人間社会があるところには何は必ず、存在しているものです。

民主主義社会における政治家は国民の代理人、すなわち、代議士として政治をとりおこなうことになりました。

国民全員が直接、政治に関わらないのは、一つには数が多すぎて全員で議論をすることはできないことと、社会が複雑になり、政治を専門に行うものでないと事の正否が判断できなくなったから、ということがいわれます。

このうち、数の問題で皆が議論に参加者できない、ということに関しては、本当は、インターネットの開発を待つまでもなく、ラジオ、テレビがあれば少なくとも議論を知ることはできます。いわいるオブザーバーと同じです。そうして、前述のように、インターネット技術によって、今は国民すべてが多数決に参加することもできます。

それでは、政治に専門的に関わる人でないとちゃんとした判断はできない、という点はどうでしょうか。どんな仕事であっても、専門的な知識は必要です。そうして、それが政治に関することであれば、政治は人に関わることであるが故におよそ人に関係するあらゆる分野での知識や洞察が必要です。これはやはり、職業的な政治家は必要なものなのでしょう。

結局のところ、我々大衆ひとりひとりが、いち国民としてだけではなく、妥当な政治的判断ができるまでに成熟することは、少なくとも今は出来そうにありません。すべての国が民主化する、という筋書きにはその条件は必要なものであると 思われるので、やはり、それは遠い道のりであるようです。

さて、ここまで民主主義について勝手なことをいってきたので、民主主義の原理についても少し、触れないといけないのかもしれません。私たちはどうしても、民主主義とは、政治がより良い政策を追求するものだ、と思いたいですが、これはそういうものではなく、単に声の大きいものたち、数の多いものたちなどが自分たちに都合のいい政策をやらせようとする、それができる制度であるにすぎません。但し、そういう者たちは一つではなく、そこには競争があるので、それによって、健全さが担保されているということです。政党というのは、ですから、それぞれの利益団体を代表するものにすぎません。そこに正義はないのです。ただ、あまり勝手なことばかりすると、後々やっかいなことになるので、一応、少数派のことも少しは考える、というだけのことです。(驕る平家は久しからず、ということになってしまわないように)

民主主義はいいものではあるけれども、私たちが刷り込まされているような正しいものではありません。そうではなくて、人間のことが良くわかっている制度であるために、優れて実用的であるといえます。

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