時事その他についての考察

良い決断と決断以前の問題と

まともな組織がする決断はその構成員が様々なアイディアを出し合いそれぞれの長所短所を検討する。その上でリーダーがどのアイディアを採用するのかを決定する。このような流れで決断がなされれば対外的にもその経緯を説明できる。また他のアイディアとの長所短所の比較検討も既になされているので仮に結果が悪くても速やかに別のアイディアに移行することもできる。

駄目な組織はそもそも構成員が問題の解決を一番に考えていない。一番なのは自分の利益権力闘争に勝つこと。またアイディアがあっても自分の考えが採用されそれが失敗に終わることを恐れてそれを明らかにしない者がいることもある。その上リーダーが力不足だと各々の思惑を越えての建設的な議論に導くこともできず決断することもできないので当たり障りのない結論や「歩み寄り」(本来歩み寄りが必要とされるのは交渉事においてであり問題を解決するためめには無意味)といわれる妥協するためだけが目的となったそもそもの目標である問題の解決には全くならない案が採用されることになる。

その様な経緯で出た結論は議論の過程なども口外しようがなくそのため対外的な不信感も招き結果として失敗してしまった時にも速やかな軌道修正などやりようがない。

2つ組織の違いは問題の解決が構成員全員の利益になるか解決が手柄を立てた者だけの利益になるかにある。

典型的な例で言うと企業のプロジェクトチームと取締役会。

その組織ができた経緯でいうと上位者に任命されたものと権力闘争や権謀術数を経て掴みとった地位であるもの。

権力闘争を勝ち抜かなければ到達できない地位にいる者は組織全体の存続がかかった問題で本来個人の利益など考えるべきではないことの議論をしていても口では国難などと言っていても実際はそういう考え方をしたことがなくまたそれは突然変えられるものでもない。全体の利益を考えられるような人は権力闘争には不向きなのでその地位には達しにくい。

その組織全体の行く末を決める機能を持つものは権力闘争が必要なものがほとんどなのでこういう問題は構造的なもの。

ただ時々強力なリーダーが現れてその後何十年通用する組織の目標や大原則を決めることがある。

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