これには、2つの問題があります。
外国人に対する差別感情と、女性の働きにくさです。
“その1”では、外国人に対する差別感情を取り上げます。
一般論として、私たち日本人には白人種に対する劣等感と、日本人以外の有色人種に対する優越感があります。
まずはそのことを認めなければなりません。
どうしてそうなったのかは、皆さんご推察の通り、日本が西洋諸国以外では初めて近代国家を作ったからでしょう。いまだに階層的に見ちゃうんでしょうね。西洋が上層、その下に日本があって、その他の国々は下層であると。
あまり格好のいい考え方ではありませんが、実際にそうなんだから仕方がありません。
《だから、明治より前は、今の西洋にあたるのが中国だったんでしょう。朝鮮半島に対してはどうだったのかというのはなかなか興味深い話ではあります。向こうはこっちをどう見ていたかということもあります。これらは現代にも繋がっていることです。それを考える時には、豊臣秀吉の朝鮮出兵がいかに彼らにとっては酷い行いだったのかということを忘れてはいけません》
おそらく、同じことはどの国の人たちにもあります。つまり、これは人間として普通のことであり、さらに、人間がそういう考えを持つことには理由があるはずです。
その理由は、単純ですが、上を見て、自分ももっと頑張らなくてはいけない、と思わせたり、下を見て、ああなってはいけない、と気を引き締させたりするためでしょう。
勿論、そう前向きな方向にばかりいくわけではなく、ただただ、他人と自分を比べて嘆いていじいじしたり、下のものを苛めたりする原因にもなりますが、すべてがうまく行く方法などというものはありません。副作用があるのも計算の内です。
大体、差別感情の全くない世界、善人しかおらず、悪意というものが存在しない世界などというものは、気持ちが悪いし、退屈そうです。
但し、個別の人たちに対しては、勿論1人1人その人となりを見て考えるべきです。まあ、技能実習生のように外国へ打って出ようなどとする人たちは有能である割合が高いでしょう。おそらく、私などよりよほど優秀なのではないでしょうか。
《さらに言うと、色々な物事に対する考え方は日本人とは確実に違いますので、日本を客観視するいい機会になります》
技能実習生という制度を作ったからには、日本人の中にある抜きがたい差別感情を前提にして、それを封じ込められる制度が必要ということです。