ワイドショーのコメンテーターと言われている人たちはひとえに当事者意識に欠けているものですが一人だけ例外がいます。
それはMXテレビ「5時に夢中」の木曜日でコメンテーターをされている岩井志麻子さんです。岩井さんの言われていることの全てに賛成するわけではありませんが、その物事や人に対する真摯な姿勢は尊敬せざるを得ません。
ところで、コメンテーター各氏やSNSに投稿する人たちに代表される、当事者意識に全く欠けた姿勢ですが、むしろそれは持つべきではないと思っているらしき人たちも一定数居られるようです。
おそらく、皆が自由に発言するべきであり、どの発言が最終的に正しいのかは歴史、といっては大袈裟かもしれませんが、時間が決めればいいことなのだ、ということなのだろうと思います。
これは言わば民主主義の基本思想を踏襲した考えなのかもしれません。どういうことかというと、そもそも民主主義の起源は、共通する利害を持った人たちがそれぞれ派閥を作って(すなわちそれが政党の起源)お互いが自分たちの得になることを主張し合う。それでどの主張が通るかは話し合いで決める。ということだという説を読んだことがあります。つまり、制度として相手の立場や全体の利益などは考えないことを前提としており、それを考えないでも銘々の主張を調節することで結果的に全体の利益に則った政策が採用される可能性が高いであろう、という、もう少し言えば、人間というものは所詮、他人のことなどは考えられないものであり、そうならば、それを前提とした、それでも結果として全体の利益にかなう政策が行われるにはどうしたらいいのか?という問題に対する一つの答えなのだということです。
しかしこれは、銘々が自分勝手な主張をしても大きな問題にならないようにという考えのもとに出来ているのであって、相手の立場をおもんばかってもその制度が壊れるわけではありません。むしろそうできるのであればそのほうがいい結果につながりやすいのは理の当然というものでしょう。