時事その他についての考察

奇妙な戦争―ロシアウクライナ紛争―

この戦争が普通と違う点は、ウクライナは今の所ロシアの領地に侵攻する意思が無いということだ。

何故かというと、これは当然、ウクライナが勝利するためには諸外国からの援助が不可欠だからだ。

その援助の原動力は、国際世論の圧倒的な支持だ。

仮にウクライナがロシア領内に侵入したら、おそらくロシアの一般市民に危害を加えることになってしまう。

そうなれば、当然ロシアはそれを大大的に国際世論へのプロパガンダとして利用するだろう。そうなると、ウクライナにとって何より重要な国際世論の支持を失うことになるかもしれない。

だから、仮にウクライナがロシアを国外に追い落とすことができたとしてもそこで戦いが終わる保証はない。

何故ならば、そうなっても、ロシアにまだ戦争遂行能力があれば、戦いを終わらせるかどうかはロシアの決断次第ということになる。

正直なことを言うと、私は戦いが勃発した当初はウクライナが侵攻を持ちこたえることができれば、これは半年くらいで停戦になるのではないかと思っていた。

イメージとしては、第二次世界大戦当初の第一次ロシアフィンランド戦争があったのだが、当時とは国際情勢が違うので予測は大きく外れた。

今の情勢を見ると、日中戦争に近くなっているような感じがある。

つまりは、泥沼化した長期戦だ。(朝鮮戦争以後、ある程度の国力がある国同士の単独戦争はほとんどないので参考にできるものは第二次世界大戦前に遡ることになる)

終戦もしくは停戦が行われるには、どちらかの国で指導者が変わるしか無いのではないか、というのが今の見方だ。

しかし、勿論何とも言えない。ゼレンスキーもある程度領土をあきらめた停戦を決断するかもしれないし、プーチンにしても、自らの地位が失われないのであれば敗戦を受け入れる選択をするかもしれない。

我々一般人は、ウクライナの人たちの被害を思うし、自分たちの経済的損害を考える。

しかし、各国指導層はもっと大局的に見るだろう。 

戦争が長期化してロシアが弱体化すればそれはいいと目論む国もあるだろう。

経済的に西側諸国が困るのを喜ぶ国もあるだろう。

そのように、戦争が長引くことを望む国もあるだろうから。

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