時事その他についての考察

何故保守派はそうまで頑ななのか

設問が自家撞着なのは勘弁してほしい。そもそも変化を嫌い、頑ななのを保守と呼ぶとも言えるのだが。

それから、それは自らの既得権益を守るためだろう、ということにも触れない。そうではなくて今回考えたいのは彼らが表向きにも訴えられる種類の理由だ。

更には、歴史的経緯も考えない。女性の権利などに関して、実は日本は明治までは開かれていたかもしれない(我々が持つ男権社会のイメージは武家だけのものだったのかもしれない)などということは別途勉強したい。

ここで考えるのは、現在の性差別改善などの進みが遅いことに対する保守派の理論的根拠だ。

これは、一言でいえば今の状態が(状態で、ではなく、状態が)いいのだ、と思っているいうことになる。

いわいるリベラル派は、主に欧米に比べての日本の現状を嘆き、その改善を訴える。

保守派の言い分は、「しかしどうなのだ、其の欧米社会は全体としてそんなにいいのか。日本より格差は大きいのではないか、治安はどうなのだ、日本より治安がいい国がどれだけ欧米にあるというのか、彼らリベラルは欧米の良いところだけを見て日本も同じにせよと訴えるが、もしも彼らのいうことに従うと、日本にも欧米社会の負の要素が広まってしまうのではないか。日本くらい暮らし易い国は稀であって、それは日本が日本のやり方でやってきたからであって、安易にそれを変えるとそれは失われてしまう」 

とことなのではないだろうか。

これには一理あるようだがこの言い分を崩すのはあまり難しくないようにも思われる。

歴史を調べて彼らがあたかも日本社会古来の、固有のものとしていることの多くは割合に最近の風習に過ぎないことを示すのもいいだろう。

彼らが是としている社会の時間的範囲(江戸時代以降現在まで?それとも明治から?昭和から?または戦後か?)を明らかにさせてその時代にもあった変化を示すのでもいいだろう。

なんといっても社会というものは変わりゆくものだ。それを止めることはできない。我々にできるのはそれを見極めて、慎重に、より良い方向に変われるようにすることであり、変化を否定することではない。

ところで、今言ったような保守派の主張を聞いたことがあるだろうか。多分ないだろう。

それは一つには、あえて主張する必要がないからでもある。余計なことを言わないでも自分たちの考えを通すだけの力があるから。

だからその言い分は仲間内だけで言い合っているのではないか。自分たちの正しさを再確認するために。

同時に、実は無意識にはその理論の危うさを知っているからでもあるのではないか。反対派とまともに議論したら負けてしまう、だから理屈は隠してやりたいことだけをやる。くり返しになるがその力は持っているのだから。

コメントを残す