北方領土 落としどころ

安倍首相の記事を書いたことが影響したと思いますが、北方領土についての見解をまとめたくなりました。残念ながら、しっかりした専門家の意見はなかなか私たち一般人には届きませんし、マスコミは一般受けのすることしか言いません(言えません)ですので、私などが出張ってくるわけですが、悔しいかな、広くは伝わらないでしょうね。

結論からいうと、解決方法として、領土としては歯舞色丹の返却で満足するしかないでしょう。何か、予測のつかないことが起こって四島が返還されるようなことがあったら、かえって、日ロ両国の間にしこりが残ることになり、余計な火種を作るだけです。あとはですので、周辺の取り決めで、いわいる“実”をどう取るかの話になります。具体的には、まず、漁業権。どこまで、どういう風に日本の 漁師の権利を保証することができるか?放っておくと、密漁がいつまでも問題になってしまいます。

地下資源は領土、領海のことですので、基本的にはそれに準ずるしかありませんが、資金をちらつかせての共同開発ぐらいは目があるかもしれません。

安全保障に関しては、北方四島には日ロ共に軍事的な施設はおかない、という取り決めを結ぶべきなのでしょうが、こういう取り決めは、いざ緊張が高まったときには真っ先に破られるものであり、いわば、有名無実のものです。その時によけい、緊張が高まってしまうことを考えるとかえって決めないほうがいいくらいかもしれませんが。しかし、決めないわけにもいかないでしょう。

共同統治のようなアイデアは、せいぜい経済自由区ぐらいのことでないと上手くいきっこないので慎重に検討して頂きたいです。

素朴な疑問として、いまのままでとくに問題もないようなのでほっとけば?という意見もおそらくあるでしょう。私たちの日常生活には確かに関係はないかもしれませんが、貿易すなわち経済活動をする際に、取り決めその他、煩雑になっているだろうことで、悪影響は現在、大いにあるでしょう。また、日本としては取り分がゼロのところからどのくらい上乗せできるかの話ですので、やらない手はありません。

ここまでは現実的な話です。次に、歴史的な流れや双方の言い分を検討します。これが、政府広報やマスコミの話をいくら聞いてもはっきりしないところです。

日本がいつも言う、北方四島は日本固有の領土である。というのは、もう少し詳しくいうと、第二次大戦のあとのサンフランシスコ平和条約で、日本は千島列島の領土権を放棄したわけですが、通常、このような条約での“放棄”には、近代国家が成立する前から領有していたような領土(固有の領土)は含まれない。そうして、正に、北方四島はその放棄に含まれない部分にあたる。というものです。

そういわれると、だったらそんな後で問題になりかねない言い方をしないで、北方四島は除く、とちゃんと書いておけばよかったんじゃあないの?といいたくなるところですが、条約の文言に関する駆け引きが色々あったのだろうと想像するのみです。それからもう1つ。条約というのは、複数の国の間で結ばれるものです。北方四島の帰属に対する解釈について、日本と条約を結んだアメリカをはじめとする連合諸国はどう考えているのかを確認するべきではないかとおもいますが、そういう議論は聞いたことがありません。(やってないとはいっていません)まあ、聞かれたほうは日ロの争いに無益に巻き込まれるわけですから困るでしょうが。

ロシアはサンフランシスコ平和条約にサインをしていないわけですが、それでも領有の根拠としてそこでの領土放棄をもってきているのでしょう。ただ、ロシアの主張は、なかなか私たちには届かないので、想像するのみですが。(日ソ不可侵条約を踏みにじったことは、領有権に関する限りは無関係だと見ますがどうでしょう?)

正直にいっ て、どちらに理があるのか、私にはわかりません。ただ、日ソ共同宣言で、あの、取ったものは無理矢理ひっぺがされないと絶対に返さないロシアが、歯舞、色丹の将来の返却を約束していることから、かなり、後ろめたい気持ちがあるのか、と考えられます。ただし、これらは実際に返されたわけではありません。ひょっとすると、約束事などいつでもひっくり返せる、と思っているかもしれません。人も国も行動にはパターンがあります。もしロシアが約束をひっくり返す可能性があるとしたら、必ず前歴があるはずです。

さて、ここまでロシア側は、日本と平和条約を結べていないこと以外は全くなにも失っておらず、完勝といえます。では、日本は何を間違ったのか?

やはり、共同宣言の後、速やかに平和条約まで進めることが出来なかった、しなかった、ことにつきるのではないでしょうか。冒頭に述べた条件でならそれは可能だったのでしょう。四島同時返還に固執したこと、それが敗因なのは間違いないことですが、よく 言われる、アメリカが日ロの接近を阻止していたという説をとるならば、四島同時返還論者の中には、日ロを隔離させるためだけにそれを主張した者達もいるはずです。つまり、日本はロシアだけではなく、日ロを隔離しようとしていたアメリカの勢力とも交渉しなければならなかったのだけれど、そこまで読めていたのかどうか。

これからの展望ですが、実は重大なことは何一つやっていないようにも思える安倍さんは、あとはやって憲法改正でしょうからとても手が回りそうにありません。

次の岸田さんあたりに期待ですが、それも今のような平穏な状態が続けば、の条件つきです。兎に角、日々、ロシア側の既成事実は積み重ねられ続けているので、日本の条件は悪くなり続けているわけです。

例えば、中国とロシアが突然喧嘩をはじめてロシアが急に日本と手を組む必要に迫られるようなことがあれば一気に解決でしょうが、あまり歓迎したくないシナリオです。

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