時事その他についての考察

安倍政権個別政策について

《先に申しておきますが、多くのメディアその他で迂闊なのかわざとなのかはわかりませんが、認識が誤っているのは、安倍政権の政策だからといって、必ずしも安倍首相がきめているわけではないということです。各利害関係者や支持基盤の意向なども考えつつ調節するわけですから、政府の特定の政策の批判として、政府のみを批判するのは不充分といえます》

消費税二回増税は評価しなければいけない成果です。しかし、消費税がこれ以上、上がらないと考えている人はまずいません。本来は目先の増税ではなく、財政規律も見越した、今考えられる限りの最終的な税制を呈示しなければならないのに、小出しの増税で凌ごうをしています。多くの人が指摘するように、これでは個々人が将来を自分で守るしかなく、使えるお金も限られてしまいます。その結果として、景気が良くなる筈もありません。

言うのは簡単で、実行は勿論、難しいですが、それをやるのが仕事といえば仕事ですので。

これは本来、他の仕事をうっちゃってでも最優先で解決すべき問題だとも思いますが、政府の考えは違うようです。

少子化、高齢化、格差解消、いずれも中途半端で解決には程遠いといわざるをえません。前にも指摘しましたが、トップにやる気も知識もないので、下に丸投げ。上の決断、強断(私の造語)がないので、 なかなか政策も進まないのではないでしょうか。政府内での優先順位が低いのでしょう。

産業構造の転換(いつまで車にたよる?)は人為的な円安で邪魔をしています。本来、適正な円水準のもとで機能する産業構造にならなければいけないはずです。その産業に行くべき人材や資金が、政府の介入がなければ競争力を失っている製造業に吸収されてしまっているのでしょう。目先の成果を欲した安易な景気浮揚策といえるでしょう。

安全保障と外交は専門であって流石の手腕なのでしょう。ただ、日本に出来ることは限られているので、そのなかでどう対処できるかは常に予断をゆるさない厳しい情勢は続きます。

当面、目立っている問題は韓国でしょうが、もう、切り捨てることも辞さない覚悟なのではないでしょうか。その背景には、すでに韓国はアメリカの比護を離れて、中国側につくと決めたのだという判断があるのかもせれません。だとすれば、そこに無駄に外交資源を浪費するよりも、他に力を入れるべきものがあると思っているのではないでしょうか。政権が交代しない限り日本のいうことは全く聞きそうにないので、あとはアメリカ任せともいえるかもしれません。

憲法改正は、最長政権で達成できないのは、お粗末としかいえませんが、しかし、これは小泉純一郎元首相の仕事だったのではないでしょうか。

重要政策と刺し違えて政権を去った政治家は幾人かいます。政治的財産を持っていながら、それを無駄に捨てて政権を去った人は小泉さん位しか思い付きません。間違っていたら謝らなければいけませんが、格好良く去りたかっただけのような気がします。経世会を潰す(=自民党をぶっ壊す)という宿願を果たした以上、政権に未練は無かったのもあるでしょうが、もう一と仕事をして、失敗して、いわいる晩節を汚すことになるのが怖かったのでしょう。政治資源は個人の気持ちで無駄にしていいものではないのに。

先の記事でも少し触れましたが、金融政策にはいまだに反対です。実は今は、紙幣はいくら刷ってもインフレにはならない、が正解だというような、金本位制からの離脱が実は正しかった時に匹敵するくらいの、新しい経済政策の始まりだった、というようなことでない限り、問題を先送りに、また、大きくしているように思えます。今日、破綻しても驚くようなことではないと思います。ただ、黒田総裁の度胸には驚嘆する他はありません。

最後に拉致問題に触れないわけにはいきません。安倍首相の、小泉政権時代の言動は一体なんだったのか。つまり、彼はただ、“お仕事”をしていたのでしょう。責められないかもしれません。また、失敗したときの政治的リスクを考えたときに優先順位は低くさぜるを得ないのかもしれません。

しかしそれでも、金坊っちゃん一人と交渉もできないで、プーチンや習近平などとどう渡り合えるのか。

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