大体のところ少し前に話題になった“me too”運動の影響が大きかったのでしょう。
有名人でなろうとなかろうと私たちが政治的な発言をすることは本来あるべき民主主義社会にとっては必要不可欠なことであるので、歓迎するべきことではあります。
しかし、一般の人たちはともかく、ほとんどの有名人の発言はリベラルに傾いたものです。勿論、保守的発言をされる方もおられますが、そのほとんどは一般の感覚から離れた極端なものです。(発言が極端だからといって、ご本人たちの人格や誠意を疑うものではありませんが)
皆さんが大好きなアメリカではそれが有名人であっても、保守派、リベラル派ともに活発に発言されているようです。日本でそうなっていないのはリベラルを支持している絶対数が多いから、というわけではなく、有名人は保守に傾いた発言をしてしまうとその人気が危うくなってしまう、少なくともそう思っているからでしょう。
勿論、現在の政権が保守政権である以上、行われている政策も保守的なものであり、その支持層はあえて発言をする必要があまりない、ということもありますが、それだけではないことは私たちは感覚として知っていることです。
どうせアメリカの真似なのですから各人が世間の評判などを気にしないで自由に政治的な発言ができるという理想(現実にはアメリカでもそう、理想通りにはいかないでしょうが)も真似してもらいたいものです。
それをするためには、社会に、個人の発言と人格を区別して考えられるだけの成熟が必要とされます。
保守もリベラルも建前では世の中をより良くできると自らが思うことを主張しているはずで、その目的は同じなのですから、それは十分、可能なことです。(但し、本当のところは自分の利益になる政策を支持、主張しているだけなのですがそれでも)
石坂浩二さんが政府のテレビ広報で原子力発電所を擁護すること発言をされています。保守派であるだろう有名人たちの腰がひけているなかで、その態度は立派なものです。(依頼されたことを言うテレビ広報だといっても、これだけリスクのあることをいわれるからには、使命感のようなものがあるに違いないです)
わたしは石坂さんの主張には反対ですし、石坂さんその人もあまり好いてはいませんが、その態度は尊敬し、支持します。