松田聖子とザ・ビートルズ

夜中にたまたまYouTube でアイドル時代の松田聖子さんの動画を見つけてしまって、少し観てみようか、という程度の心持ちで開いてみたら止まらなくなってしまいました。それを三日続けてしまったのですが、松田聖子の歌の魅力も勿論なのですが、他に動画を観た人たちが書き込むコメントが面白くて(また皆さん、色々なことをよくご存知で)それを読んでいるうちに松田聖子とビートルズの共通点が思い浮かんできました。

松田聖子とビートルズというか、おそらく、トップオブトップをとった人たちに共通することなのだろうと思います。わたしがたまたまビートルズのエピソードをいくつか知っていて、その後に松田聖子の話を知ったのでその二つを結びつけただけで。(ですので、松田聖子についての情報は大体、動画のコメントに基づいています)

一番目につくのは全盛期が二期に分かれていることです。最初期のビートルズを象徴するのは「ツイスト・アンド・シャウト」に代表されるジョン・レノンのシャウトです。(これにリンゴ・スターのドラムを入れる人もいます)それが酷使によって声が出なくなったのかどうか、(詳しいファンは知っているでしょうが)レノンは余り叫ばなくなり、代わりに目立ってきたのがポール・マッカートニーの名曲群と様々なアイディアです。(曲作りでの細かい進化はわたしにはわかりませんが。わかるところでは、伴奏にストリングスを入れる。―イエスタディ―アルバム全体を物語仕立てにする。―サージェント・ペッパー―音楽と映像の融合―マジカル・ミステリー・ツアー―ついには会社まで作ってしましました)簡単にいうと、ジョン・レノン・アンド・ザ・ビートルズが、ポール・マッカートニー・アンド・ザ・ビートルズに変わったようななものです。

松田聖子をスターにしたのは迫力のある歌声と高音の伸び、聞かせ処でアクセントとして披露する裏声、それから何と言っても、あの唯一無二の声だと思います。勘のいい人はコマーシャルでサビが流れたデビュー曲「裸足の季節」《えくぼっのぅぉお~ひみっつ~あげ~た~い~わぁあ~》で注目したのでしょうが、わたしを含む大部分は二枚目のシングル曲「青い珊瑚礁」の出だしの《あぁあ~わたぁ~しぃの~ぅこ~いっわっあ~》でびっくりしてしまったのです。サビの迫力とそれ以外の部分での舌足らずではかなげな歌唱。このギャップに皆、参ってしまったのです。

このように、松田聖子の魅力は一にも二にも歌、歌、歌なのですが、今となっては本当に不思議な位ですが、当時はごく一部の人しかそれに気付いていませんでした。それだけそれ以外の髪型、衣装などのアイドル・かわいこ路線が目立ち、また成功したのでしょう。騒ぎになった嘘泣きなども、もともとの演出でなく、本人が一人で咄嗟にやったことだとしたら、アイドルとしてはこの場面で泣かないわけにはいかない、という判断 でやったことで、つまりはプロフェッショナルということだったのですが、大バッシングになったのは気の毒だし、ずいぶん傷ついたことと思います。また、同時代に小泉今日子というわけのわからない怪物がいたことで話がややこしくなってしまったのです。松田聖子が古典的なアイドル路線を守ったのに対して、小泉今日子はほとんど独力でそれまでのアイドル像を突きくずしてしまいました。それは、アイドルの世界には既に松田聖子という古典形を完成させてしまった存在がいるので、そのコピーに甘んじるのを潔しとしないならば、別の路線を行く必要があったからでしょう。そうして、本人の能力は勿論、ビートたけしの登場に象徴される、世の中の雰囲気の変化に乗って、小泉今日子という、これも唯一無二のキャラクターを作りあげたのでしょう。(松田さんには失礼ながら、素の美貌の違いも大きかったのでしょう)歌も芝居もどれもこれも一級品とは言えないの

にすべてに魅力があるって無茶苦茶です。いつも「私が小泉ですけど何か?」って言っている感じです(いまだに)こっちとしては「なんもないっす、すんません」というしかないです。でも松田さんはまだ良かったのでしょう。冷静ですから。気の毒なのはかわいこ路線にも徹しきれず、かといって小泉今日子ほど開き直れなかった中森明菜さんです。気の毒に悩みぬいてひきこもりになっちゃった。

話をもどしますが、松田聖子の生命線である大切な歌声は酷使が原因でじきに失われてしまったのです。六枚目のシングル曲である「白いパラソル」では勿論、上手く、パワフルな歌唱ではあるものの、有無を言わせない圧倒さは失われてしまっています。

ところが松田聖子の凄いところはそこから別の引き出しを開けて後に「キャンディ・ボイス」と称される唯一無二の、今私たちが松田聖子の歌を思い出すときに思い浮かべるであろう歌声を獲得したことです。(誰がつけたか知りませんが「キャンディ・ボイス」って正にその通りで、上手いこというものです)そうして、そこから彼女の第二期にして、全盛期がはじまったわけです。

ビートルズにしろ、松田聖子にしろ、伝説を越えて時代を象徴する存在になるには変化が必要なようです。

他にも色々あったのですがどっかにいってしまいました。どっちにしてもトップをとった人たちは真偽とり混ざったエピソードに満ちていてとても面白いです。(とにかくファンが本気で熱心なのは感心します)

《最近、伝記ドラマ(~物語とかいうやつ)を余り見ませんが、今売り出し中の女優、浜辺美波さんが松田さんによく似ているので上手く作ったら面白いと思います》

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