Gackt氏がジャニーズ事務所に所属するタレントたちを切り始めた企業を批判するコメントを出した。今まで散々利用してきたのに何だ、ということらしい。(この解釈は間違っているかもしれない。正確には原本をあたって下さい)
残念ながらGackt氏は完全に間違っている。企業がタレントを使うのは、そのタレントの持つイメージが自社の利益につながると思っているからだ。
だから状況が変わって、タレントイメージが自社の利益を毀損すると判断したならば契約を打ち切るのは当たり前のことで、当然企業側が(契約のしばりにもよるが)自由にできることだ。
そして、今回の問題がジャニーズ事務所所属のタレントのイメージにどう影響したか、又はするのかを判断するのは企業が考えることだ。その結果、契約を打ち切るのも、今後も契約を続けるのも、又は新たに契約するのも(勿論相手の合意があればだけど)企業の自由だ。
ここからは憶測になってしまうが、Gackt氏があのようなコメントを出したのは、彼もタレント側の人間であり、今回のことで、タレントというものは、いくらちやほやされていても、いくらお金を稼ごうとも、世間の風向き如何で捨てられる存在であるということを突きつけられたからだろう。
そのことに驚きと恐怖と怒りと理不尽さを感じ、それがジャニーズ事務所所属のタレントとの契約を終わらせた企業への怒りへ振り向けられたのだろう。
そのコメントで色々理屈も言っているが、一般に理屈というものは感情の後追いであることが多い。
つまり、感情で結論を出したことに対して、自分や他人を納得させるためにその結論に合う理屈を後から作りだすのだ。
Gackt氏に対する話はそれでいいのだけれど、イメージとお金という問題はそんなに簡単に結論が出ない。
一つ言えそうなのは、我々が諸々のことにお金を支払う時、実質的なものに払っているのはその内のほんのわずかな部分だろうということだ。残りのほとんどは、その商品の持つイメージに支払っているのだ。
今までの所はそれはそれほど大きな問題にはなっていない。
しかし、今後、資本主義がますます発達していった時、膨れ上がった資金とイメージは我々に、我々の社会に一体どんな影響を与えるのか、それを考えると、何とも言えない不安な気持ちになるのだ。