一般的に男性は他人の話を聞くのが苦手です。我が強く、考えに柔軟性が足りないことがその原因だと思います。端的にいうと、自分が常に正しいと思っているのですね。
これは、いわいる頭の良さとは余り関係がありません。いくら知能が高くても、初めから相手のいうことを聞く気がなければ相手の話を理解できるわけもありません。かえって、知能の高い人のほうが、自分の知性に自信があるだけ、他人のいうことを聞かない傾向にあります。
これが現代日本に多くいる、独身の中高年になると、さらにその傾向が高まります。その理由は二つ考えられ、もともと人の話を聞かない傾向にある人は女性から好かれることが比較的少ないことと、結婚をした人たちは、無理矢理にでも奥さんの話を聞かざるを得ないので、それが人の話を聞く訓練になるのでしょう。独身者にはその訓練する機会がないのです。
話を聞かないのはかなり、大きな欠点ではありますが、実はそういう人は、いわいる、いい人であることが多いのです。他人にたいする悪意があまりないのです。
大体が、悪意のある人はそれを隠すためにも、ことさらにひとの良さを演出しなければなりません。その為にも、人の話を聞かない、などということは考えられません。また、誰かを何かで利用するためには、とりあえずは相手に好かれなければいけないので、そのためにも話を聞く、などということは必須です。
それに対して、話を聞かないなどという無礼なことは(本人は聞いているふりはできている、と思っているらしいのが笑止ですが)自らの良心に対する疑いがあればできることではありません。
悪意がないから、他人に悪意を振りまくことができる、というのは面白い矛盾です。
たとえ、悪意がなかろうとも、他人と協調するつもりがない(協調性がない、というのは、そもそも協調性を持つつもりがない、ということです)人間が組織で働くのはなかなか困難なことでしょう。ですからそういう人たちは、個人で出来る仕事を選びがちです。
自分のまわり見まわすと、結構、そういう人たちが目につくのではないでしょうか。
ただ、間違ってはいけないのは、だからといって、そういう人たちは駄目な人たちだということは全くない、ということです。どちらかというと、仕事の上では、人並み以上のことをやられている人が多い気がします。
ただ、個人的には、会話するだけで腹が立つので余り関わりたくはありませんが。