日経新聞によると、量子コンピューターの実用化が見えてきたらしいです。とは言うものの、わたしはその原理が全くわからないのですが。しかし、つまりは情報処理能力の話なのでしょう。データさえ入れてあげれば分析、解析がすぐに出来てしまうようです。
使い方の例として、渋滞の緩和や新薬の開発があげられていました。新薬のほうは使う材料のデータは既にあるでしょうからそれを打ち込んであげればいいだけでしょうが、渋滞の緩和に使うデータはサンプルの何十台かの車にデータを解析する装置を着けた上で街中をいつもの様に走ってもらって集めるそうですから少し手間がかかります。
データさえあれば分析は容易なのですからその入手方法が鍵になります。例えば、脳波から直接データが取れれば全身不随で意識だけある人と意思の疎通が出来るかもしれません。さらには無意識下での欲求がわかればいわいる植物状態の人にも何らかの貢献が出来るかもしれません。同様に、赤ちゃんやペットとの意志疎通にも役立ちそうです。
既にある技術をつかうものでも、いわいるビックデータと組み合わせれば個々人の行動まで予測しかねません。例えばわたしが今日仕事帰りにコンビニに寄っていくか、行くとしたら何を買うかなど。
この辺りから妄想が強くなってしまいますが、ひょっとしたら、個々人が朝、起きてから寝るまでの行動など、すべて予測できるようになるのでは?いや、いまのスマートフォンだけのデータではまだ足りないでしょうが、5Gになったらビックデータはさらに充実します。さらに6G、7Gと進んでいけば、個々人の行動が全てデータ化されるかもしれません。ピザの出前でもとろうと思ったら向こうから営業のメールがくるかもしれません。
こういったことに対して社会はどう対応する、できるでしょうか。既にビックデータはそれを持っている企業のものではなく、それを提供している個々人のものではないのか、という議論は始まっています。今後はビックデータをとられるのを拒否する権利を要求する人たちも出てくるでしょう。
報道されている中で一番の懸念はインターネットを支えている暗号が解読されてしまうだろうということです。こういうのはいつも、いわいるイタチごっこになっていまいますが、情報を記録する道具としての紙の役割が高まってくるかもしれません。
その辺までいってしまうとそれを嫌って無人島とか山奥に籠る人たちも出てくるかもしれません。かといって、インターネットから完全に切れる人は少ないでしょう。衣食住など、消費はネットに依存せずに昔ながらのやり方で過ごし、しかし収入を得るのはネットを通して、という感じでしょうか。悪くない生活の様にも思えますが、わたしは生粋の怠け者なので真似できそうにはありません。権力者のいいカモです。そもそもインターネットだけで充分な収入を得るだけの手段を持っていません。残念でした。
とにかく、今後数十年は 過去数十年のインターネット革命にもまして急速に世の中が変わっていきそうです。その変化を望ましいものにできるか、絶望的なものにしてしまうかはいつもの様に私たちにかかっています。