だいぶ時代とずれた話になってしまうが、思いついてしまったので書き記す。
何年か前から政府が投資による資産形成を推奨するようになった。
しかし、実は20年くらい前、一時的に民間の投資意欲が増した頃がある。
それは堀江貴文氏が一世を風靡した時のことだ。
彼が社長を務めていたライブドアという会社が具体的に何を商いにしていたのかということは今もって知らない。しかし、当時彼の成功を見た人たちの多くが、お金を稼いだり儲けたりする手段は会社勤めをすることや、何か物作りをしてそれを売ること以外にある、ということに気が付いた。
いわば、アメリカのIT大手の存在を身近に感じることになった。そうして、自分たちにも多少は可能性があるのではないか、という思いを抱くに至った。
そこに起きたのがライブドア事件だ。証券取締法違反で堀江氏が捕まり、あろうことか実刑判決を受けたのだ。
この事により、世の中に蔓延しつつあった拝金主義のようなものが雲散霧消した。いうなれば、日本は従来の堅実な状態に戻ったのである。
おそらく、ライブドア事件とは、政府による国策事件だったのだろう。いや、堀江氏は実際に違反をしたのかも知れない。しかし、罰則が重い。彼は見せしめにされたのだ。
この政策をいいとするか、駄目だったとするのかは見方による。
しかし、IT企業の発展や投資意欲を阻害したのは間違いのないことだ。
そうして時を経て今度は政府自らが投資を推奨するようになった。
これには日本を取り巻く状況が変わったこと、従来の経済モデルでは日本はこの先は立ち行かなくなるという懸念もあってのことだろう。
しかし、そんなのは後付の理屈だ。
本当は、権力者は被支配者が独自に事を起こすことを嫌うから、というのが正しい。
民間が工夫するなり、考えたりして新しいことを始めることを為政者は嫌うのだ。
だからそういう動きがあると、とりあえずは潰しにかかる、という解釈が正しいように思われる。