確かに戦争はしてはいけないことなのだろう。
日本について言うと、多大な被害をもたらした15年戦争などは愚の骨頂ということになろう。
では、仮に日本が太平洋戦争を回避することができたとしたら、アジアはどうなっていただろう。
結論を先に言うと、歴史の進みが何十年も遅れてたのではないだろうか。
太平洋戦争は、大日本帝国という、すっかり愚かになってしまった国を滅ぼす役割を果たした。その結果、日本は一応民主化した。中国に安定した統一国家を作るのに大きな貢献をした。ヨーロッパ諸国に植民化されていた多くのアジア国家を独立させることになった。
もしも、日本が太平洋戦争を回避することができていたならアジアはどうなっていただろう。
大日本帝国という巨大な軍事国家が君臨し続けたことになる。
大日本帝国もいづれは民主化しただろうが、それにどのくらいの時間が必要だったのかはわからない。
戦争が回避できたということは、満州以外の侵略地から撤退したということになる。何故ならそうでなければアメリカを納得させることはできないから。
そうであれば、東南アジア諸国はヨーロッパでの戦争が終わった後も植民地であり続けたことになる。
これが独立するのにはどのくらいの時が必要だっただろう。
アフリカ諸国の独立が1960年代であったので、アジアもその位まで独立できなかったかもしれない。
中国共産党が国民党を打ち負かして統一を果たせたのは日本が国民党を弱体化させていたからだ。日本の侵略がなければ内戦はもっと長く続いていただろう。互いに敵対する2つの国が誕生していた可能性すらある。
満州国もかなりの間続いていたことになる。これは中国の動静次第だが、国家として諸外国に承認され、国連加盟国になっていた可能性すらある。
結論を言うと、太平洋戦争は、日本以外の国家にとっては必要かつ有意義な、また歴史の流れを正常に進めた、という点でも起らなければならない戦いだった、という考えも成り立つのだ。
近代戦争というのはあまりにも犠牲が大きいので起こしてはいけない戦争である。
しかし、戦争が絶対悪である、というような、そんな単純なことではないのだ。