時事その他についての考察

貨幣の歴史は、その絶対量を増大するための時間に他ならない

貨幣は、初めは(当然希少であっただろう)貝殻などから始まったと言われている。

それから金銀など貴金属を加工して作られた。

紙幣が生まれた。しかし、その紙幣は、金との交換が保証されたものだった。

その後、紙幣の金との交換が停止された。

そうすると、理屈では国家は際限なく紙幣を発行できる。しかし貨幣を発行できるすべての国において、収入と支出を均衡させる政策が実行され、貨幣の発行に一定の歯止めがかけられた。

そして、現在、インフレが起きない限りにおいて貨幣の発行を制限する必要は無い、という理論が提唱され、一般化されつつある。(実際には、財政均衡もその目的はインフレを防ぐためのものであるので表面だけをみると大きく違ってみえるかもしれないが、言っていることはそんなに変わらない。ただ、実際の貨幣の発行量には大きな差ができる)

これらは一言にいってどういうことなのかというと、経済が成長するには充分な量の貨幣が必要だ、ということだろう。

経済規模が巨大化するにつれてそれまでのやり方、考え方での貨幣量では足りなくなる。経済規模に見合った貨幣を供給するために新たなやり方、考え方、理論が次々と生み出されてきた、というのに過ぎない。

そして、こんなことができるのも、よく知られているように貨幣も、その他のヒトの造った制度と同じく、幻想に過ぎないからだろう。