時事その他についての考察

改憲論者には二つの種類がある

その一つは日本国の誇りのため、独立国家ならば自らが自国を守る力を備えるべきであるのは当然のことであるという考えを持つ者たちである。

それとは別に、現実をみてそう思う者たちがいる。

日本に侵略する国家があっても必ずしもアメリカに頼れるわけではないという現実をみている者たちだ。

《この二つの考えを持つ者たちははっきりと分けられるわけではない。ほとんどの者たちはこの両方の考えを持つ者である。その違いはどちらの考えにより傾いているかという割合に過ぎない》

主にいわいるリベラルが攻撃するのは初めに示した者たちである。

リベラルが理解していないのは後に示した者たちの考えである。

時代が下るにつれて後に示した考えを持つ者たちが増えてきている。これは当然のことであろう、いつまでも現実から逃れるわけにはいかないのだから。

そうして、実は視るべき現実が変わってきている。それは日米安保条約の実効性が弱まってきていることだ。弱まっている原因は一つはソビエト連邦に対するのと中国に対するのではアメリカの本気具合が違うということであり、もう一つは国際社会におけるアメリカの力が弱くなっていることだ。

我々は、本来であれば日米安保条約が堅固な時から、それに甘んじることなく改憲の道を探るべきだった。何故なら日本国憲法と日米安保条約の二つ構えの統治は不自然であったからだ。

しかし我々は怠惰なことにそれを怠った。そうして明らかに現実が変わっているのにも関わらず未だにそれに対応しようとはしていない。

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