簡潔に言うと、(少なくとも企業内で)ハラスメントが無くなる方向にあるのは倫理やコンプライアンスに対応していることがその原因なのでなくて、そうしないと儲からないし、会社の存続すら危うくなるからだということだ。
きっかけはブラック企業について書かれた、はてな匿名ライブラリー(4月第4週)の文章を読んだことだった。リンク?を飛ばす方法がわからないので、その文章のアドレス?だけ載っけておく。
https://anond.hatelabo.jp/20220416231854
内容は、筆者が勤めたブラック企業ニ社に似通った所があるのが不思議だった、というものだ。
その共通点を羅列すると
・共にそこそこなの知られた会社であり、企業イメージもいい。
・社員の平均年収は800万円くらい。
・平均年齢は45歳くらい
・男女共に離職率は低い
・ハラスメントの内容としては、特定社員に対する上司からの公開の罵倒など。(二時間くらい続くのは当たり前だったとのこと)
・その間、他の社員は知らん顔をしているが、当人たちが居なくなったあとは、爆笑するなどの行為があった。
会議での上司の部下の発言に対する揚足とりが酷く、また、他の社員たちもそれに同調して笑う、といった行為がよくあった。
・出世のあるなしは、仕事の出来不出来より、そういう風潮に合わせられることのほうが重要だった。
・セクシャルハラスメントも当然あったが、ハラスメント以外の場面では、パワハラ上司も女性社員にはとても優しかった。だから、女子社員にはパワハラは他人事であり、少なからず楽しんでいる風潮もあった。
・一時間の早出は不文律であり、(当然手当てなどはない)22時、23時までの勤務も普通に行われてた。(残業手当は30時間までのみ認められた)
・プライベートでの社会同士の交流も盛ん。
・既婚者が多く、仕事以外では、大体いい家庭人であるようだった。
・また、学生時代の友人も多く、その分野での交流も盛んな人が多かった。
これを読んで、おそらくそういう企業というのは他の企業との競争があまりないのではないかと推察した。
例えば特殊な特許を持っている、ある分野を独占する企業であるが、他社がリスクを負って参入するほどにはそこに旨味はない、などの理由でいわいるイノベーションがなくても許される。つまりは、仕事の質を高めることはさほど重要ではなく、存続出来さえすればいいという会社なのではないか、ということだ。
そうであれば、社内の結束がとても大事であり、また個人の仕事上の業績はそれほど評価されず(いずれにしろ業績はあるから評価する必要がない)役職の上下が過大な力を持つ。
女子社員に求められるのは社内の潤滑油としての存在である。それは若い頃であれば華やかさや癒しであろうし、年配者には世話役、すなわち母親のような役割が期待されるのだろう。
それから導き出されるイメージはすなわち昭和の会社、ということになる。
これは逆に言えば昭和にはそういう企業でも存続できたということになる。
現在の企業では常に新しいアイデアが求められることが普通であり、それは高圧的な指導からは生まれ難い。単純労働や肉体労働は発破をかければ能率は上がるのだろうが、頭脳労働ではそれは逆効果になるだろう。自由で開放的な雰囲気がより大切になる。
そのためにはパワーハラスメントなどもっての他ということになる。
また、女性社員の潜在能力を遊ばせておくなどという贅沢も許されない。
《男女格差というものは、やる気と能力のある女性にとっては許し難いものだろう。しかし愛嬌と気遣いという女性の得意分野を発揮していればまずまずの収入と社会的地位が得られるというのはそれが苦にならなければそう悪い話ではなかった》
女性にもその能力を遺憾なく発揮きてもらわなければならない。そのためにはセクシャルハラスメントなどでそのやる気を削ぐなどということは許されない。
つまりは綺麗事のように言ってはいるが、全ては金のため、ということなろう。