時事その他についての考察

細田守の「バケモノの子」を観て。《人は胸に剣が無い》は本当か

実は人とバケモノ(動物)に違いがあるわけではない。人の胸に穴があるのは人が作った環境のせい。

人の中に暗黒面があるのはよく取り上げられるテーマである。(例えば「スターウォーズ」におけるダークフォース)

一見それは人だけにある問題にも思える。実際に野生動物にはそういう問題はないだろう。

しかし動物も人と同じストレスのかかった環境に置かれたらやはり穴があく。

映画に話を戻すと、主人公のまぎれこんだ世界の住人たちは人間のような社会を作ってしまっているので本当は彼ら彼女らもその胸には穴がある。

動物だって孤独な環境に置かれたりつねに敵意を持つものに囲まれたりしたら性格は壊れてしまうのだ。

これは簡単に言うとやるべきことがはっきりわかっているのと、何をしたらいいのかがわからないという違い。

もしもそうだとしたら、問題は何故人間はそんな社会をつくってしまったのかということになる。

かつて岸田秀氏はそれは人が本能が壊れているからだとした。

とても面白い説ではある。しかし単純に(普通に考えられるように)そういう社会を作ることのできる能力を持ってしまったからだとしたほうが確からしいように思える。

我々は計画的に社会を作ってきたわけではなく、その時々の環境に応じて変わってきたのに過ぎない。

その変化は生き残りには有利になったのかも知れないが、我々の心の平安や幸福につながったかというのはまた別の話なのだろう。

また人には順応性があるので、環境が変わって一時的に生きづらくなることがあってもいずれは適応できるのだろう。しかしなにぶん変化が速すぎてついていけないのだろう。

これを解決するには人知を持ってするしかなさそうである。正にマッチポンプではあるが今のところそれ以外の方法はない。

何だ、そんなことは今やっていることではないか、と言われそうだ。しかし裏付けがあってやることと無くてやることは全然違うことなのだ。

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