時事その他についての考察

権限は現場になければならない。現場の立場にたった上部機関のチェック部門があるべき

事は極めて単純で当たり前のことです。

特にサービス業で顕著ですが、企業にとって最も大切なのは企業と顧客が接している時です。すなわち現場です。

組織の全ては現場のパフォーマンスを最大化するためにあるはずです。

大きな矛盾はその最も大切な業務を担当するのが企業の上層部ではなく往々にして一番の下っ端であることです。

まあ擦れっ枯らしより初々しいほうが好感度は高いので実際にはこれは企業にプラスになることが多いですが。

問題はしかし現場に権限がないことです。

顧客の要望を最も知ることができる立場にある者の意見がただの不満や愚痴となって消えてしまう。これほど無駄で馬鹿馬鹿しいことも少ないでしょう。

顧客に満足してもらってお金を落としてもらって皆が潤う。企業はそのためにあるという出発点が忘れられているのでしょう。

顧客の要望だけのことではありません。

組織というものには雑務や非効率なことがつきものですがそれらは結局権力のない現場が押し付けられがちです。

現場にはそれ以上雑務を押し付ける下の部所がありません。非効率なこと理不尽なことがあっても現場は日々動いています。やらないわけにはいきません。

聞いた話です。アルバイトというものはあらかじめシフトの希望を出すのが常です。ある居酒屋ではあらかじめ出勤できない日にバツ印を付けた日程表を提出していたそうです。

その居酒屋は近隣に系列店がいくつかあってアルバイトも元々働いている店だけでなく時には他の店の応援にも行っているそうです。

それである時からシフト表にはバツ印ではなく希望休の“希”という字を書くようにとの指示が下ったそうなのです。

はっきりとした理由はわからないそうですが各店舗でまちまちであった書き方を統一したのではなかろうかということでした。

バツを書くのと“希”の漢字を書くのではどちらが簡単で時間もかからないのかは誰でもわかります。

統一するのであればバツ印にすればいいだけだというのも考えるまでもないというのも馬鹿馬鹿しいくらいに考えるまでもありません。

結局権力のある者には無い者に対する想像力というものなどは無いのでしょう。

昨今はコンプライアンスやセクハラパワハラなどの問題が重視され従業員からの訴えを直接聞き取る部門があったりします。

同様に上層部への要望や希望などを訴えることのできる部門があるべきです。

ところでこの程度のアイディアは目新しいものでもありません。目安箱の変形のようなものです。しかし実際にこの様な部門の存在は聞きません。(私は企業の実態などはほとんど知りませんのでもし存在していたらご免なさい)

何故なのか。

上の人間にとって大事なのは企業をよくすることなどではなく自分の地位を守ることだからです。

下からの突き上げや下からのアイディアなどは無いに越したことはないのです。

それを乗り越えて前向きな企業風土を作るには企業全体の利益が自分の利益になると共に権限も持つ者が主導しなければ難しいでしょう。

それはすなわちオーナー社長や株主なのでしょうが。

これ以上はもともと組織にあまり縁がなく特にその上層部などには全く関わったことのない私のような身には窺い知れないことです。

本当はただ不思議なのです。知恵の宝庫である現場の意見を積極的に取り入れる企業があまり無さそうなことが。

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