例えばアイヌやインディアン、もしかしたら縄文人も弥生人に滅ぼされたのかもしれない。
しかし、平和で穏やかに暮らしていた、ということは、それが許される豊富な自然の恵みがあった、ということだ。それを滅ぼす蛮族は、もともとの生息地が厳しい自然環境で、それを生き抜く中で武力という最も効果的な武器を手に入れたのかもしれない。
これが黒澤の「七人の侍」のように厳しい自然の中でなんとか作物を育てたのにそれを不当に奪われる、というのであれば、また話は違ってくるが、たまたま恵まれた自然環境の中でのんびり生活していた者たちが、その環境から追いたてられたのだとすれば、よく考えたら(勿論悲劇的なことではあるのだが)完全に同情できるものでもない。