時事その他についての考察

イギリスのEU離脱で考えなければいけないと考える事

【言い訳から初めて恐縮であります。本来、こういった皆が論じるようなことはここの守備範囲ではありません。それでも他の人の言わないことであれば、書く価値もありますが、今から申すことは、少数ながらも誰かがいうことでしょう。しかしながらそれは今言った通り少数派でしょうからその人達の味方をすることに多少の意義があると思った次第です】

EUのそもそもの設立動機を思い出して下さい。

それは、ヨーロッパの中心にあって、喧嘩ばかりしているトップ2、ドイツとフランスに二度と戦争をさせないために考えられ、つくりあげられたものです。もっというと、ヨーロッパの中心にある強大なドイツを抑えこむために考えられたものです。

すっかりガタイが大きくなり、安全保障よりも経済の話が多くいわれてるので忘れがちですが、本質は変わっていません。それがあまり語られないのは試みが非常に上手くいっていて、 語る必要がなくなっているからです。

しかし、思い浮かべてみると、独仏の首脳はことあるごとに協調を強調(あーあ、やっちゃった。わざとではないです)していませんか?これは彼らが初めの理念、目標をしっかり守ろうとしていることの証明です。

振り返って、イギリスですが、 この国は初めからヨーロッパの連合体に参加することに積極的ではありませんでした。歴史にくわしい方であればご存知だろうことですが、いわいる百年戦争(ジャンヌ=ダルクのでてくるあれです)いらい、イギリスのヨーロッパに対する基本戦略は、ヨーロッパ本土に領土を持たずに自由に行動できるようにして(領土をもってしまうと、これを守らなくてはならず、自由な行動の範囲が狭くなってしまいます)ただ、支配的な勢力が出てくるのは許さない、出てきたときにはこれに敵対するものに味方して、勢力を均衡させる。これにつきます。

つまり、その必要がなければある程度距離をおきたいわけで、ヨーロッパの連合なり、共同体のようなものに参加するのには消極的なわけです。

その戦略がゆらがざるを得なくなったのは、支配的な勢力どころか、ヨーロッパそのものが一つにまとまりかけてきたときです。ヨーロッパ本土がまがりなりにもまとまってしまったら、イギリス一国でこれに対峙することはできません。一つにはアメリカをいいくるめて仲間に引き入れ、ヨーロッパ本土に対抗する方法もありますが、アメリカは少し遠すぎます。ヨーロッパ連合に参加するしか道はなくなったわけです。

では何故今離脱に向かっているのか?無意識かもしれませんし、イギリス国内ではそういう議論もあるのかもしれませんが、ヨーロッパ本土が連合することはない、と見極めたのでしょう。先程申したような、ヨーロッパ本土全体に一国で対峙する恐れがなくなったと判断して、慣れ親しんだ戦略にかえっているのでしょう。

但し、その戦略が妥当なものであるかはわかりません。人も国も判断に迷ったときには過去の成功体験にすがるものです。百年戦争以降、第二次世界大戦の終わりまでうまくいっていたやり方を選ぶのを批判することは出来ません。但し、独仏の協調が続く限りはその戦略の前提が成り立っていないことは見ないようにしているようです。

翻ってEU側ですが、こちらはくり返し申している通り、独仏が協力している限りは問題ありません。いちいち面倒臭いイギリスがいなくなって、かえって良かったかもしれない位です。

もしも、独仏が仲違いしてしまったら?その時はヨーロッパだけではなく、世界中が厄介なことになりそうです。

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