時事その他についての考察

チック・コリアの“音”

音楽的なチック・コリアの凄さを語ることはできませんが、コリアがここまで広範な人気を得たのはその音の美しさに負うところが大きいだろうという推察は出来ます。

クラシックの演奏家だと、タッチがどう、などということがよく言われ、それには音色の評価も入っていると思うのですが、ジャズではアドリブのアイディアやテクニック、演奏の革新性などばかり語られ、音のことはあまり言われないようです。

でも、勿論、音楽は音色が重要です。聴いていて楽しい音、気持ちの良くなる音が出せなければ一流にはなれないでしょう。

その中でもコリアの音は美しいと思います。当たり前ですが、これは本人が努力して獲得したものでしょうし、これがその人気に大いに貢献したのも当然のことでしょう。

このように、実は大きな要素なのに、なかなか気付かれ難いことというのはあるようです。

ビートルズがあれだけ売れたのは、リンゴ・スターの歯切れのいい、こちらの気持ちを煽るようなドラミングに依るところとが大きい、というのは、ようやく、近年になって広く言われつつあるようになってきました。 (利いた風に言ってますが、僕だって、スターの「ラバーソウル」以降のドラムはとても好きだったにも関わらず、指摘されるまではそれほどの重要性があるとまでは思っていませんでした)

松本隆さんは、初めてTVCMで流れる、デビュー直後の松田聖子さんの歌を聴いて、その声は自分の歌詞にとても合う声だ、とわかったらしいです。このように、どんな分野でも、成功する条件の一つは即座に本質を見抜く眼があることなのでしょう。

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