行動経済学が注目されている雰囲気があったので少しばかり覗いてみた。
どうやら既存の経済学に対する批判から産まれた分野らしい。
私の理解したところ、という前提ではあるが一言で言うと既存の経済学で前提となっている、“合理的な行動をとる経済人”つまりは人々は基本的に経済的に合理的な行動をとる、という前提を廃棄したところから出発しているらしい。
ため息しか出ない。そんなことは経済学を見聞きした人は皆初めに思うことだろう。でも、それを前提にしないと話が進まないので、取り敢えずそれは受け入れておき、細かいことは追々修正する他はないって思ってたんじゃないの?
“行動経済学を覗いた”と言ったのはそれを創した中心人物が一般向けに書いた本を少し読んだということなのだけれど、それによると当初その主張は学者連中から全く相手にされなかったらしい。
今NHKで「チ。」といつアニメーションが放送されている。これはヨーロッパの中世に酷似した架空の世界において、その世界で絶対的な権威をもっている宗教、教会の教義に反対する地動説を信じる人々の苦難を描いたアニメだ。
現代なので異端といえども処刑されることはないし、その時代に比べたら新しい意見が認められるのも容易にはなっているだろう。
しかし、根本的な愚鈍さは何も変わっていない。どちらかというと天道説を信じていた人のほうが科学的な知見がなければそれを信じるのは自然だろう、と思われる点では、現代の経済学者よりもましなようにさえ思える。