従業員を使い捨てにする企業がそれでも存続できるのは、新入社員が入り続けるからである。
すなわち、そういう企業は自分の外の環境からエネルギーを吸い取り続ることによって生き残っているのだ。
(その組織のみで生存を賄うには組織には遊びがなくてはならない。いわいる“働きアリの2割はさぼっている”というやつである)
ところで、他社から優秀な人を高給で引抜くことによって業績を上げる企業がある。
そういう企業は外からはいわいるホワイト企業と見られるのだろう。
しかし、人材の育成という、手間のかかる部分を他人任せにして、成果だけ掠め取るという手法だけを見るならば、やっていることはブラック企業と同じだ。
つまり、組織にとって大切な部分を外部から攫っているのだ。
しかし、考えてみれば、どの企業でも学校教育を受けてある程度まとまった人材しか採用しない、という意味で同じことではある。
つまり、企業経営のコツの1つは、いかに外部からエネルギーを掠め取るか、という技術にある。