時事その他についての考察

そごう・西武投資ファンドへ売却

※初めに断らなければならないが、私は特にこの出来事に詳しいわけではなく、知っていることはテレビや旧Twitterで見聞きしたことに限られる。だから事実誤認があるかもしれない。

報道を見聞きして、疑問に思う所はいくつかある。

マスコミの論調が、労働者の権利であるスト権を行使することの是非から始まること、売却は既に決まっているのに、労働者側が現在の経営陣とだけ交渉をして、売却先とは話をしていないらしいこと、ストライキを行うのが余りにも遅すぎることなど。

しかし、ここで述べたいのは、そごう、西武を投資ファンドに売却しようとしていることの是非だ。

売却先のファンドは、物件を切り売りなどして利益を上げようとするるのだろう。当然、それが成されれば多くの利益が生まれるのだろう。

そうであるならば、何故、ファンドなどに任せずに親会社である、セブン&アイフォールディングスがそれをやらないのだろう。

これは、例えば株式の敵対的買収ではない。双方の合意の上で行われる取引だ。セブン&アイフォールディングスには売却を行わないこともできる。そうして、自分で物件を切り売りすることもできる。

投資ファンドがおこなおうとしていることはいわば中抜きである。

間に投資ファンドを通さずに切り売りすれば、セブン&アイフォールディングスには、より多くの利益が入ることになる。

そもそもこの話は投資ファンド側から持ちかけられたものなのかもしれない。アイデアが投資ファンドからでて来たものであるので、それを自分のものとして自分たちで実行するのは気が引けたのかもしれない。

しかし、これは友達付き合いなどではなく、商売の話だ。相手に悪い、とか、気まずいなどと言っている場合ではないだろう。

セブン&アイフォールディングス側には、切り売りのノウハウがないのかもしれない。

しかし、ことは1億、2億の話ではない。巨額の金額が絡むことだ。ノウハウなどは、社内にプロジェクトチームでも作って開発すればいいだろう。

しがらみのある同じ会社の社員がやるよりも、全く関係のない、しかも外国の企業がやった方がやりやすいし、話も早いだろうということもあろう。

ここで言いたいのは正しくその点だ。

結局、自分の手で気の重い仕事をするのが嫌だったのだろう。

自分の管理から放して他のものに決着させれば自分でことを行うよりも気は楽だろう。

そういう、人間の持つ狡さが改めて露わになったのが、今回の出来事なのではないだろうか。