マイナンバーカードの不備について、担当大臣の河野太郎氏が責められることが多い。
(これは、ごく基本的なことなので、今更書いても仕方がないとも思うが、その基本的なことが理解されていないので仕方がない)
河野太郎氏の役割は、一般企業でいうと、担当事業部長のようなものだろう。
つまりは、あるプロジェクトがあり、その推進を任されている立場だ。
そういう役割にも二種類ある。
一つは、もともとその事業を手掛けていた人が、その功績も含め、または当然の成り行きとして実際の事業の責任者となる場合だ。
もう一つが、もともとはその事業とは全く関わりがない人が、その力量を買われて担当責任者になるケースだ。
マイナンバーカードにおける河野太郎氏は、この、もともとは全く関係がない人が力量を買われた場合に当てはまる。
そうして、彼が任された主な仕事は、マイナンバーカードの速やかな普及だろう。
そして、河野氏はその仕事をしっかりこなしていると言える。
もともと、システム障害など、マイナンバーカードそのものが抱えている問題の解決は河野氏の仕事の範囲ではないのだ。
しかし勿論、現在の担当責任者であるからには、そういう問題にも対応しなければならない。
保険証や運転免許証との一体化の問題にしても、こんなものは河野氏の一存で決めているわけはない。
責務を負うべきなのは当然、内閣総理大臣である岸田文雄氏であるべきだ。
しかし、これも担当責任者であるという理由で、矢面に立つことになる。
思えば新型コロナウィルスのワクチンの時もそうであった。
おそらく河野氏というのは、現実的な問題の処理能力が高いのだろう。ワクチンにしても、マイナンバーカードにしても、それを乞われての担当大臣への起用なのだろう。
しかし、今の処その労苦にあった報酬を受けているとは思えない。
どうも、彼が望んでいる報酬、すなわち内閣総理大臣の地位を、なんとなくちらつかせて便利に使われているようにしか思えない。
しかし、それに反発しても望みが叶うわけではない。それで仕方なく、きつい仕事を引き受けているのではないか。
だからといって、彼を支持するというわけではない。
しかし、少し気の毒すぎるのではないか。