時事その他についての考察

宇露戦争終結のあとに来るもの

戦争そのものを終わらせるのは左程困難ではない。問題は如何にすれば再発を防止できるかということ。

《本当はウクライナは親露国であり続けるべきだった。西側諸国はウクライナが西側に近づくのを認めるべきではなかった。しかし今となってはそれを言っても仕方がない》

具体的にはロシアが再度ウクライナに侵攻するのをどうやって防ぐかということになる。

やり方は二つある。それは正反対の方法だ。

一つはウクライナの軍事力を強大化してロシアに侵攻そのものを断念させる方法。

もう一つはウクライナの軍事力を弱体化してロシアから西側諸国がロシアに侵攻するかもしれないという恐怖を取り除くこと。

ほとんどの人は認識していないようだが、そもそもロシアの侵攻は侵攻されるかもしれないことの恐怖から来ている。

地図をみればウクライナとの国境からモスクワがどれだけ近いかがわかる。そのウクライナにNATOが進駐するかもしれないというのがどれ程の恐怖であるのかもわかる。ロシアはかつてモンゴル帝国に何世紀もの間占領され、またナポレオンとヒトラーに国の中枢まで侵攻された歴史を持つ国であることを忘れてはならない。

しかしながら、その二つの方法とも現実的ではない。

ウクライナの軍事強大化は到底ロシアの容認できるものではない。やれるとしたら、停戦もしくは終戦協定ではウクライナの非武装化を約束しながら騙し討ちの形でやる形しか思い浮かばないが、それはその途中でロシアの強力な反発を招くだろう。

もう一つ、ウクライナの実質上の非武装化だが、これはウクライナが受け入れられるものではないし、仮に実現してもウクライナ国内の軍事力などNATOが進駐することですぐに強大化できる。つまりあまり意味がない。

結局のところ、今時の戦争を終わらせることができても、それは世界にもう一つの、いつ戦争が起きてもおかしくない地域が加わった、という結論になるのではないか。