時事その他についての考察

「大日本帝国の興亡」ジョン・トーランド著を読み始めているところである

冒頭で二ニ゙六事件がでてくる。印象的なのは、政府高官も軍隊の上層部もどう対処していいかわからず日和見をしているところ。 

思うに、日本という国は、昔も今も果断な決断をする人というのは組織のトップにはなりにくい国なのだろう。

そういう素養のある人がいないのではなく(一般的な国に比べて少ないかもしれないが)いても大きな組織のトップにはなりにくい。

日本で上にいく人というのは、周りを見て言動を決める人、上に取り入るのがうまい人などなのだろう。いわいる調整屋とか。

いや、幕末にはいたではないか、という反論がありそうだ。

違うのだ。幕末ではある程度の洞察力がある人ならばやるべきことがわかっていた。流石にやるべきことがはっきりとわかっていればそれに向かって堂々と行動することはできるだろう。

しかし、二ニ六事件の時などでは、例えば国民の意識がどうでるのかがわからなかった。反乱軍支持が大勢を占めるのか、反対意見が多数になるのか。

当然、同じ位に重要だったのは天皇の意思だったろう。事態が収まるには反乱軍を断固鎮圧する、という天皇の意思表明を待たなければならなかった。

こういう、日本的な構図は当然今も続いている。特に現在は当時よりもさらに先の読めない時代だ。

我が国の指導部に期待できることはあまりないだろう。