アメリカの対外兵力のアジアにおける割合が五割を越えたというニュースを見た。
当然これは中国を対象としたものだ。考えてみればアメリカは対ソ連の時には日本とヨーロッパからの挟み撃ちが出来たのだが中国には日本韓国台湾と一方からの圧力だけだ。
さぞや反対方向から圧力をかけられる拠点が欲しいだろうと思うがそれができるアフガニスタンからは撤退する。
不思議だし矛盾しているがそれだけ余裕がないのだろう。
いずれにしろアメリカにとって対中国が最重要課題であるのでそこに戦力を集中するのは当たり前のことで五割を越えた云々というのはその結果に過ぎない。
そうなってくると日本韓国台湾フィリピンなどの重要度が高まる。特に一番安定していて国土も広く戦力としても計算ができる日本はアメリカにとって最も価値のある国だ。
だから本当は日本が真の意味での主権を回復できる大いなる機会ではある。
いや中国の脅威があるのは日本も同じであってしかも直接の脅威という点では日本のほうが切実であるのでアメリカにとって日本の重要度が高まっている以上に日本にとってのアメリカの重要性が高くなっているはずでつまりは日本は交渉できる立場ではないと言う人もあろう。
でもねぇ日本にはアメリカを裏切って中国につくという選択肢があるのだ。実際にはまず無いことだろうが可能性としてはある。
そうしてもしもそうなったらオセロのように他のアジア諸国も中国側につくことになる。これはつかざるを得ない。日中から圧力を受けることになるしアメリカはあまりに遠い。
《一応言ったほうがいいかもしれないが中立は無理。中立が成立するためには自国だけである程度の防衛力がなければならないし―日本にアメリカの援助なしに最新鋭の機器が揃えられるか―何よりも周りの賛成がなければならない。それがない中立は双方からの侵略をうけて―加えてロシアも噛んでくるだろう―分断されるだけ》
対してこれも理論上はアメリカにもアジアから撤退するという選択肢もある。しかしそれを示唆することは日本に対する脅しにはならない。そうなったら中国につかざるを得なくなるだけだ。
というわけで日本がアメリカのくびきを離れてまともな同盟国になれる絶好の機会であるのだが止めておいたほうがいい。
(長々書いたがそう思う人たちに止めておけと言いたいのがこの短文の趣旨です)
もともと外交下手なところに戦後外交そのものがなかった時代が続いたのだ。もはや国際社会で日本くらいの大柄な国の切り盛りをできる人材はいない。
もしも稀に人材はいてもそれを生かせる組織文化がない。
日米地位協定は改定するべきと思うがそれ以外は止めておくがいいだろう。