時事その他についての考察

黄桃缶のプルが外れる。火星に探査機。イギリス車のエンジンオイル。

黄桃缶というものがある。

ぼくが利用するのは缶切を使うタイプではなく輪っかになっている部分を指で縦に起こしそこからめくるようにして開けるものだ。ツナ缶などでも良く見る種類のものだ。

製造元は中国なのだがこれが開けようとしたとき結構な割合で輪っかの部分が取れてしまうのだ。

取れたら取れたで改めて缶切を使えばいいので開けられなくなった缶詰を手に呆然とするようなことはない。

ところで中国が打ち上げた火星探査機が無事に火星に着陸したらしい。

ネットニュースによると火星への着陸というのは相当に難しいことらしい。空気が薄いのでパラシュートがあまり効果的でなくエンジンの逆噴射などを使うらしいのだが地球からの操作が探査機に伝わるまでに10分程度?時間もかかることなどがその難しさの理由だということだ。

伊丹十三の大昔のエッセイでイギリスの車を買ったら駐車場にオイルの染みができるつまりはエンジンオイルが漏れているという記述があった。それも一台だけではないという。

他のエッセイとあわせて考えるとおそらくEタイプのジャガーという車のことではないかと思われる。(伊丹氏に敬意を表してジャガーの表記は原文通りにしたいが〔確か“ジャグヮ”だったか発音通りにするとそうなるみたいなことだった〕いかんせんうろ覚えなので“ジャガー”としるす)

車種はどうでもいいのだがつまりは高級車であるにも関わらずということだ。

何をいっているのかというと中国の缶詰にしろイギリスの自動車のオイルのつなぎ目にしろ彼らは「そういう類いのものはそんなに厳格に作る必要はない」と考えているのではないのか。缶詰はともかくエンジンオイルはどうかといわれる向きもあろうがたまにオイルゲージを確認すればいいことである。(勿論これは昔のことであって今はオイル漏れなどはないと思うし伊丹氏の話が正しいという保証もない)

缶詰のつくりが完璧でなくとも探査機は火星に着陸するのである。

もしも缶詰のでき具合を完璧にするために結構な費用がかかるのだとしたら多少の不具合は気にしない方が合理的かもしれない。

日本人は少しの不具合でも許さない傾向がある。それを非難するつもりはない。国民性というものがあり実際にそれが日本の利点や武器になっていることもあろう。

しかし同時に我々日本人は自分たちの考えを基準にして外国を非難したり馬鹿にする傾向がある。そういう傾向はどの国にもあることだろうが日本人は特にそれが強いのではないか。

しかし日本の基準が必ずしも世界共通なわけでもなく正しいわけでもないことは知らなければならないだろう。

過剰なプライドは劣等感の現れなのかもしれない。

もしもそうだとしたらそれを自覚し欠点を直すことは難しいことになるだろう。

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